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なぜ、楽譜を読む必要があるのでしょうか?

現代に生きる私たちが「楽譜」と聞いて思い浮かべる五線譜は最初から今の形で作られたのではなく、音の上がり下がりのみを表す「ネウマ譜」から始まりました。

 

その後、音楽を演奏する人(当時の職業や身分)の変化や、音楽が演奏される環境の変化に応じて横線や音部記号(音の高さを決めるもの)が記されるようになり、更に音の長さを記譜することで正確なリズムも表現できるようになりました。

 

楽器によって様々ですが、チェロの場合は

  • ヘ音記号
  • ト音記号
  • ハ音記号(チェロの場合はテノール記号をつかいます)
の3種類が楽譜に記載されていることが多いです。

分かりやすく文章で表現すると、始まりはひらがなで書かれていて(ヘ音記号)、文章の途中でカタカナだけの文章になり(ト音記号)、今度はローマ字になり(ハ音記号)、多い場合はこの3種類が変わるがわる使用されながら文末(曲の終わり)に辿り着く、といったイメージです。

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こんにちは!なごしちぇろくらすです。
きょうはナカメグロキョウシツノかようびレッスンdeshita。
Ainikunoあめでしたが、せいとさんはgenki ippai!いっしゅうかんのokeiko no seika woタクサンみせていただきました。
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少し読み辛いですよね。
実際は、暗部記号が数種類出てくる場合は音を読みやすくする為に書かれているものですので、この例えは正確ではないのですが…

チェリストはこういった文章を読み辛いとも感じずにつっかえる事なく読み上げて(抑揚や強弱などの表現も加えて)いるのだとイメージしていただければと思います。

さて、ヘ音記号、ト音記号、ハ音記号(テノール記号)はそれぞれ基準となる音がどこにあるかを示しています。

例えば楽譜を初めて読む人でも、ドレミファソラシド(ハニホヘトイロハ)の音階とヘ音記号が示しているファの位置が分かれば、記譜されている音名をファの音から数えていくことが可能です。
楽譜に書かれている音を
「ファ、ミ、レ、ド! この音はドだ!」
と一つ一つ数えることなく、音部記号を元に配置されている音の並びをすっかり覚えていて文章を読むように目で追えている状態が「楽譜を読めている」
その際に頭の中に音の高さや長さ、リズムを再現することができていれば「楽譜をスラスラ読むことができる」
更に、音の並びを目で追いながら楽器や自分の声で音の高さや長さ、リズムを正確に再現できる状態は「初見ができる」ということになるでしょう。

楽譜の中に記されている情報は、音の高さや長さ、リズムだけではありませんが、このお話はまたいずれ♪

 


スズキ・メソードは「母語教育法」です。

どのお子様も立派に日本語を話し、地域によって異なる繊細な抑揚まで習得する、人間の素晴らしい能力を活かした教育法を音楽教育に取り入れています。

 

その為、初めから生徒さんの目の前に楽譜を置いて、

「これはドの音、そのお隣が…」という勉強はしません。

 

私達は言葉を喋り始める前から「あいうえお」の書き方を教わる事はありません。

言葉を習得するきっかけはお母様お父様、ご家族の方の言葉かけから始まります。

言葉かけのある環境の中で、赤ちゃんの口から自然と

「ママ」という言葉が出てきたら、お母様は大喜び!

 

お母様の喜びを赤ちゃんはすぐさまキャッチし、

次の言葉、また次の言葉の習得へと繋がります。

 

人と人がコミュニケーションをとる為には、他にも様々な手段があります。

ここでは、文字を取り上げます。

 

お子様の中にも、文字の造形そのものに大きな興味を抱く方もいれば文章を読み上げる抑揚を楽しむ方も。

とっかかりは十人十色と思いますが、まずはひらがなを使えるようになればお友達とお手紙をやりとりしたりたくさんの物語を楽しむことができるようになります。

 

 

文字が子どもにとって世界を広げる手段の一つであるように、私は楽譜を読むという事は音楽の楽しみ方を広げる手段の一つであると考えています。

チェロクラスでは、生徒さんの進み具合を見計らいながら楽譜に親しんでいくレッスンを行なっています。

 

「読譜」と考えると難しいイメージがありますが、

チェロを通して音楽を楽しむ時に

「楽譜が苦手…」

「難しそう」

と避けてしまうのは勿体ないです。

 

初めから全ての情報を網羅する必要はありません。

子どもが最初は絵本の読み聞かせから絵に興味を持ち、お母様お父様の読んでいる文字を「自分も読んでみたい」と世界が広がるように楽譜にも興味を持ってもらえたら…と思います。

 

名越クラスの生徒さんは楽譜が好きな方が多いです♪