お引越しを期に数年前にチェロクラスを退会された生徒さんT君のお母様へ、ある機会に久しぶりにお便りをしよう…と考えていたら、なんとお母様から先にお便りをいただくというとても嬉しい出来事がありました。
久しぶりにご家族で教室にいらしてくださり、すっかりお兄さんになったT君に「帰る前に一曲聴いていってくれる?」と言うととても喜んでくださって、最初にリクエストされたのはとあるシンガーソングライターさんの楽曲!
私が初めて聴く歌で、しかもこれが一回聴いて耳コピするにはちょっと難易度の高い曲でした。
そこで、この曲は私が頑張って耳コピして練習して、
T君へ改めてプレゼントさせてもらうことに。
T君、ゆっくり気長に待っていてね〜♪
さて、改めて先生が今すぐ弾けそうな曲は…と考えてもらって(笑)、T君がすぐさま挙げた曲は教本の「フランス民謡」
リクエストにお応えして心いっぱいに演奏しながら、かつて1/8サイズのチェロをかまえていたT君は今どんな表情で聴いてくれているのだろう、と目を合わせました。
その一瞬に、言葉にならない何かが波のように押し寄せました。
今はチェロから離れていても、日々私たちを取り巻く膨大な情報に囲まれている現代の環境にあっても、
チェロを通して出逢った音楽の一つとして「フランス民謡」や「無窮動」といった曲たちがT君の心に響き続けていることが嬉しくてなりませんでした。
これからたくさんのことを見て、聴いて、知ることが増えていく、子どもたちの心が育ちゆく大切な時期に
「チェロの先生」としてご一緒するこの仕事をしている事を改めて幸せに思った、そんなひとときでした。
あっという間に時間は経って、お別れは名残惜しいですね。
またいつでもお待ちしております!