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チェロの寝相、どうですか?

今日のテーマは「チェロの寝相について」です。

そもそもチェロに寝相ってあるのでしょうか?

チェロの見た目は、多くの人が想像できると思います。

内部には、普段は見ることの少ない部品が隠れています。

 

そう・・・「魂柱」です!

「こんちゅう」と読みます。

レッスンで「カブトムシとかの昆虫じゃないよ~」と言って生徒さんにウケるかは、今のところ五分五分といったところです。

 

以前、楽器の心臓とも言うことができる魂柱についての記事を書きました。ぜひ、読んでみてください♪

 

音を届ける「柱」

 

さて、チェロの寝相の話に戻りましょう。

チェロの寝相というのは、ずばり「チェロを横に置く時の置き方」のことです!

 

チェロをおけいこしていて、ちょっと一休み・・・

なんて時に、チェロは大きな楽器なので床に置きます。

どんな風に置くでしょうか?

 チェロクラスのグループレッスンの様子を覗いてみましょう。

 

置いてあるチェロを見てみましょう。

皆さん、チェロを自分の左側に置いていますね。

つまり、自分で楽器を構えた時に左膝に当たる方を下にして置いています。

 

これがチェロの正しい「寝相」です。

 

先程名前が出た「魂柱」は、楽器の中心から少しずれた位置にあり、楽器の表板と裏板を支えています。

この「中心から少しずれた」というキーワードを頭の片隅に置いておいてください。

 

この魂柱が倒れてしまうと、楽器全体のバランスが崩れて楽器の音が出なくなったりするくらいとても大切な部品なのです。

 

魂柱は釘や接着剤で楽器に取り付けているわけではないので、楽器を落としたり倒してしまうなどの衝撃が加わったり、駒(4本の弦を支えている部品)が倒れてしまうとすぐに倒れてしまいます。

 

ここで、先ほどのキーワードの出番です。

魂柱は楽器の「中心から少しずれた」位置にあります。

楽器の中を覗いてみると、楽器を構えた時の左足側にあることがわかります。

 

右側の穴から覗いてみると、エンドピン(横向きの金属の棒)より向こう側に見えますね

例えばチェロの右側を下にして床に置いた場合、ちょっとした不注意で楽器を倒してしまったり、表板・裏板に衝撃が加わった場合の魂柱の倒れやすさが上がります。

 

ちょっとの間だけ、でも楽器を床に寝かせて置く際は必ず左側を下にして置くようにしましょう。

 

勿論、左側を下にして置いたからといって安全というわけではありません。

おけいこが終わったら、チェロはその辺に置いたり立てかけて置いたりせず、必ずチェロケースにしまうようにしましょう。