チェロって習ってみないと様子が分からないし、どんなところが難しいのか、それとも思ったよりも簡単なのかをイメージしづらい楽器ですよね。
それでも「えいっ!」と(?)チェロクラスの門を叩いてくださる方がいらっしゃって、その度にとても嬉しい気持ちになります。
今回のタイトルは、なかなかはっきりとしたお答えが難しい質問でもあります。
なぜでしょう?
まず「チェロが弾ける」とはどんな音色で弾けることを指すのでしょうか?
体験レッスンではもう少し具体的に「教本で最初におけいこするキラキラ星はどれくらいで弾けるようになるのでしょうか?」というご質問はよくいただきます。
そこで「必ず一ヶ月で弾けるようになります!」なんて言えたらかっこいいのかもしれませんが、正直にキラキラ星を「弾けるようになる」目安をお伝えすると皆さんちょっとびっくりされます。
その後のチェロ演奏の土台となる基礎を大切にしているからこそ、はじめは時間をかけていることをお伝えしております。
例えば、チェロの名曲サン=サーンスの「白鳥」が一ヶ月で弾けるようになりたいです、とご希望をお持ちの方がお問い合わせをくださったとしたら、その方を一ヶ月で「白鳥の楽譜上に書かれている音を出せるようになる」ようにレッスンすることは可能です。
しかし、基礎づくりは早く済ませてとにかく曲が弾きたい、という方にとっては名越クラスのレッスンは上達の法則を掴むまで進みがゆっくりに感じられるかもしれません。
私は「チェロが弾ける」と生徒さんご自身に実感していただける音色、つまり楽譜にある音符を音として並べることに留まらず、あの大きなチェロがよく鳴り、「自分はこう演奏したい」という方向性、意志のある音色を作っていただくことを目指しています。
そんなわけで、名越チェロクラスには自然と、基礎を大切にしたいという生徒さんが集まってくださっているように思います。
数年前の発表会後にある保護者の方からいただいたメッセージが、私の励みになっています。
♪ それぞれの出演者が、単に無難に演奏すればいいみたいな感じではなく、「自分がこうしたい」という意志を持っているのがとても良いと思います。