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「お互いに」より良い方へ変わっていくこと

「お稽古」とは、何でしょうか?
私は、自分自身がより良くあろうと考え繰り返し物事に励むことだと考えています。

一つのことを繰り返すことで精神的、身体的な「勘」が育ち、諦めずにそれを繰り返していくことで次のステップに進む過程が次第に早くなり、自分の能力として育っていきます。

例えば、チェロはギターのようにフレット(弦を押さえる場所を示すパーツ)がない為、目でいちいち指板を確認することなく左手のポジション移動をする必要があります。
腕の伸ばし加減をコントロールすることで狙ったポジションを押さえ良い音程を奏でる、それも繰り返しのおけいこで「勘」を磨くことで可能となります。


チェロ教本の曲を進める中で自分の引き出しを着実に作り上げてきた生徒さんほど、問題に直面した時の乗り越え方も次第にスムーズになってきます。

そういった意味では、チェロのおけいこは単にチェロが上手になるというだけではなく、物事の捉え方や一見困難とさえ思えることに取り組む練習となると言うことができるでしょう。


まずはレッスンでお伝えした内容をご家庭で実行に移していただくことが上達の近道です。
お伝えした方法をご家庭で実践することが難しい場合もあります。その時は別の方法を一緒に考えていきましょう。

◯◯が上手くいかない時は、◇◇というアプローチはどうだろう?と、生徒さん一人一人に向き合います。


こちらが指導者という立場だからといって生徒さんに一方通行的に教えることばかりかというと、決してそんなことはありません。
逆に生徒さんや保護者の方にハッとするような新しい視点を見せていただくことも多いのです。

ご自身の専門的な知識や技術をもってチェロクラスのイベントをお手伝いくださったり、
ご自分のお子さんだけでなく演奏が終わった生徒さんにあたたかい声をかけてくださったり…
チェロを、音楽を愛する心が繋がりチェロクラスがひとつの輪となっていることを日々ありがたく感じています。


そのような輪の中で生徒さんと接することでこちらも新たに指導のバリエーションを増やすことができ、生徒さんとの日々のレッスンは正に私自身にとってのおけいこでもあるのです。
そこで得るものはスズキ・メソードが大切にしている「心を育てる」ことに繋がることもあれば、自分自身のチェロ奏法を見直すきっかけに繋がることもあります。


指導者もまた、生徒さん、保護者の方と一緒により良く成長していこうという気持ちを忘れてはいけないと思うのです。