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チェロのお手入れについて

チェロのおけいこの中には「楽器や道具を大切に扱うこと」も含まれています。
今回は、楽器の日常のお手入れについてご紹介したいと思います。


チェロやヴァイオリンなどの擦弦楽器は、演奏する前に馬毛(弓の毛)に松脂を塗ります。
これは、ツルツルしている弓の毛と弦の間に摩擦を生じさせ、弦楽器の音色を引き出す為に欠かすことのできないものです。
なんとなく、松脂がしっかりついていればいるほど良い音が出そうな気もしますが、あまりつけすぎたり、おけいこの後に弦についた松脂を拭き取らずそのままにしておくと弓と弦それぞれについた松脂の層が厚くなりすぎて、摩擦が起こらなくなってしまいます。

馬毛に塗った松脂は、拭く必要はありません。

馬毛は湿気や汚れを吸着しやすいので、日頃からなるべく手などが直接触れないようにしましょう。

松脂をどのくらい塗るかは毎日のおけいこ量にもよりますが(!)、1週間の内に2~3回塗ってあげると良いでしょう。

 

その日のおけいこが終わったら、弦についている松脂を繊維の毛羽立ちが起こらない布で拭き取ります。

弦の表面を布で撫でるだけでなく、弦の細かい溝に入り込んでいる松脂も拭き取りましょう。

 

松脂は、弦だけでなくチェロの表板、指板にも付着しています。

こちらも柔らかな布で優しく拭きましょう。

日々のお手入れはこれで大丈夫です。

 

その他のメンテナンスとしては、あくまで目安ですが

1年~1年半に一度:弦の張り替えと弓の毛替え

必要に応じて:チェロの内側に剝がれなどが無いかなどを診ていただいたくと良いかと思います。

 

私は、チェロを大切に扱うことは目に見えない「音」を大切に感じることにも繋がると考えており、レッスンが始まったばかりの生徒さんにはまずはじめにチェロの扱い方のおけいこをお伝えしています。

チェロを横に置く動作一つ、構える動作一つにも、その人がどんな風に音を出すのかが表れます。