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グループレッスンやおけいこ動画、活用してますます上達の道へ

同じ年頃の仲間と演奏するグループレッスンは、個人レッスンとまたひと味違った角度から音楽を楽しむきっかけにもなります。

私が「こんな風に弾いてほしい」と何十回、何百回と同じことを言うよりも、仲間と演奏して自分から気がつき得るものの方が効果的な時も数多くあります。

ふと一緒にチェロを弾く隣のお友達の様子を見て「ぼくも、私もこう弾きたい!」とやる気がぐっと上がって音色がガラッと変わる瞬間「いやぁまいった!敵わないな〜!」なんて思いつつ、仲間同士で知らぬ間に目に見えないプレゼントを贈りあっている小さなチェリスト達を心から誇りに思います。

こう書くと、グループレッスン形式のレッスンだけをしている教室の方が良いのかな?と思われがちですが、隣の人を見る余裕があるくらい基礎ができていないと結局自分のことばかりで必死になってしまいます。
自分の得意や苦手を毎回確実に知ることができ、お家でのおけいこの進め方をお伝えしている個人レッスンももちろん重要です。

スズキ・メソードが他の音楽教室と違うところは「お子さんを教室に預けておけば知らないうちに上手に弾けるようになっている」教室ではないということです。

中学生ごろ〜大人の生徒さんの場合、直接おけいこ方法をお伝えしたりご相談いただきながらご自分の暮らしのリズムに合わせて進めていきます。

3歳ごろ〜小学6年生くらいまでの生徒さんにとっては保護者の方が「お家での先生」です。
一番身近な存在であるご家族だからこそ時には勃発するバトルや、保護者の方が皆忙しくお子さんにつきっきりになれない、など様々なご事情もありますが、いずれにしても大切なことは「音楽、楽器を通して一人の人間を育てている」という意識を保護者の方にも持っていただくことです。
そして、一所懸命にお子さんを育てるうちに、私たちも知らぬ間にお子さんから学び一人の人間として育てられている…実に不思議なことですが「どの子も育つ」正にその通りだと考えています。

スズキ・メソードでは、2023年4月からお家でのおけいこで活用いただくことを目的とした「おけいこ動画」を配信しています。
こちらはスズキの会員の方(生徒さん)限定で閲覧することができます。

例えばYouTubeで[スズキ・メソード チェロ]と検索するとたくさんのレクチャー動画が出てきますが、そのチェリストがスズキの教本を使ってレッスンされている個人・大手教室の先生なのか、一曲一曲にポイントが込められているスズキ教本の教え方を学び認定を受けている先生なのかを見分けることは、初めて楽器を習う方にとってとても難しいです。
実際に某大手音楽教室でスズキの教本を使ってご指導されている先生から「キラキラ星ってどんな風に教えたら良いのですか??」と尋ねられたこともあります。その時はびっくりして「普段どのように生徒さんに教えていらっしゃるんですか?」と尋ね返してしまいました。

おけいこ動画を観れば弾き方が何でも分かる!という訳ではありません。
先生によって少しずつ違う部分、進め方もあります。
まずは実際のレッスンで教わることを実践し大切にしていただき、ご自宅のおけいこでおけいこ動画を流して画面の中の先生と一緒に演奏したりお話を聴くことを楽しんでみてください。