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「伝える」こともお稽古

チェロクラスのグループレッスンでは、どんな風に弾いたら自分のチェロの一番良い音を鳴らせるか?この音を出したい時にはどんな風に工夫するか?など、こちらが伝える一方ではなく、参加している皆さんにお尋ねします。

 

すぐにパッと答えられることもあれば、自分ではちゃんと分かっているけど言葉で表すのに時間が必要なこともありますよね。

そんな時はその生徒さんの隣から不思議と「◯◯だよ…」と答えが親切なささやき声でかすかに聞こえてきたり(笑)、皆で「せーの」で答えを言ってみたりと、様々です。

 

個人レッスンではハキハキと大きな声で喋っている子どもたちも、グループレッスンでは3歳ごろから社会人の方までが一緒の空間にいて、中にはお互いに「はじめまして!」の方もいらっしゃいます。

自分を出すのはちょっと気恥ずかしいのと、声を出すのにも勇気が必要なことがひしひしと伝わってきます。

 

自分のお名前、好きなこと、

これから皆で弾く曲の名前、

自分は今どんなことを感じているのか・・・

 

↑私の謎の「バッテン」・・・この時は何を伝えたかったのでしょうか?

 

私たちは、例え楽器を弾いていなかったとしても誰かに何かを「伝える」ことは必要不可欠で、生まれた時からずっとお稽古しているとも言えるでしょう。

 

赤ちゃんは生まれた瞬間から一所懸命に泣いて、自分の欲求を伝えます。

周りの人たちの言葉を良いことも悪いことも関係なくどんどん吸収して、やがて自分自身でも一語、二語とお話しできるようになります。

そこからは爆発的に言葉を習得し、身振り手振りでも伝えたり、相手の伝えたいことを「聴く」「解る」能力も育ちます。

言葉のない「音楽」について教えるだけならば、それは通常の音楽教室です。

私自身は、人として社会で生きる一員としてあらゆる面で必要となる、相手へ「伝える」手段、相手から「受け取る」手段を生徒さんと一緒に模索していきたいと考えています。

 

伝える表現、受け取る器を広げることで、楽器演奏だけでなく日常生活も彩られていきます♪