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チェロの先生の妊娠から出産まで Vol.3 妊娠後期(8ヶ月〜出産)

前々回「妊娠から出産まで Vol.1 妊娠初期(〜4ヶ月)」

前回「妊娠から出産まで Vol.2 妊娠中期(5ヶ月〜7ヶ月)」

の続きです。

いよいよ妊娠後期と呼ばれる時期に入りました。

 

妊娠8ヶ月(28週〜31週)

 

 レッスンは妊娠8ヶ月まで続けることができました。

でもこの頃は分数楽器ですら持つのが大変で、リュックに教本やレッスングッズなど入れて背負うだけで精一杯というくらい筋力や体力が落ちていました。

 

生徒さんと一緒にチェロを弾けない期間が続きましたが、生徒の皆様があたたかく見守ってくださり本当にありがたかったです。

ある曜日のレッスンでは、大人の生徒さんがご自分のレッスンの後、同じ曜日に習っているお子様のレッスンの時間までチェロを貸してくださり、その間は生徒さんと一緒にチェロを弾くということができ幸せでした。

 

動けなくなる前に・・・と9月の発表会の記念品を注文しに出かけました。受け取りは臨月直前!大丈夫かな?

妊娠9ヶ月(32週〜35週)

この時期から産休をいただき、レッスンにはスズキ・メソードのチェロ科の先生お二人にお願いし、代教にお越しいただきました。

 

代教はスズキならではの互助会的な制度です。

産前・産後合わせて最長6ヶ月間(2025年8月現在)代教の先生にレッスンにいらしていただくことができ、代教の先生の謝礼・交通費・出張費は本会指導者が負担し積み立てた代教費から支払われ、保護者の方からお預かりするお月謝・レッスン料は代教を申請した指導者が受け取ることができるという手厚い制度です。

私は今回、産前・産後合わせて3ヶ月+数週間の期間代教を利用させていただきました。

 

 

妊娠10ヶ月(36週〜39週)

 

健診の度に逆子と頭位を行ったり来たりしていたお腹の子でしたが、

34週の妊婦健診で3度目の逆子発覚!

逆子がこのまま治らなかった場合帝王切開になるということで「○月○日に手術です」とあっという間に決まってしまい、思いがけず子どもの誕生日が決まってしまいそうになり焦ると同時に「生まれる日が決まっているなんて、予定が立てやすくて案外良いかも」なんてポジティブにとらえる余裕もありました。

 

結局、逆子体操を頑張ったお陰か次の36週の健診で逆子は治っていたので手術の予約はキャンセルになりました。

 

ある日、チェロを練習していたらお腹の中からチェロの裏板をバゴン!と蹴られました。「ウォーミングアップの音階練習をちゃんとやって!」と訴えていたのかも?

 

臨月に入ってからは、猛暑の続く季節だったこともあり外出は控えていましたが、予定日が近づくにつれて「少しは運動しなければ・・・!」という気持ちになり、毎日5,000歩以上は歩くようにしていました。

参議院選挙の投票のため訪れた区役所で大きなお腹を抱えて階段を8階まで昇り降りしたり、出産予定日前日も夫の出演するコンサートに出かけたりと、熱中症にならないよう気をつけながら残り少ない妊婦生活を楽しみました。

 

すっかりお腹も大きくなり、あとは誕生を待つばかり

いよいよ出産!

出産予定日を数日過ぎても全く生まれる予兆が感じられず、こうなってくるとレッスンの復帰にも関わってくるため病院で先生に相談したところ、妊娠40週3日に入院して陣痛促進剤を投与することに決まりました。

 

入院した当日は点滴や検査の後、陣痛促進の処置が始まりました。

夜は陣痛促進剤の投与を中止し一旦リセットとなるため、助産師さん的には入院3日目のお昼過ぎくらいからが陣痛の始まりだったようですが、自分としては入院2日目から既に人生で味わったことのない痛みを数分おきに感じていました。

 

入院4日目、一向に進まないお産。

意識しないと呼吸もままならない数分おきの陣痛がそのままいつまでも続くかと思われましたが、私の体温がある一定の値を超えた段階で、急遽帝王切開が決まりました。

赤ちゃんの体調には影響なく、元気に生まれてきてくれ、手術室の外で待っていた夫も生まれたばかりの赤ちゃんに会うことができました。

 

術後は猛烈な眠気と共に赤ちゃんの寝顔を眺める穏やかなひと時が流れましたが、翌朝からは術後の歩行訓練から始まり、ハードな育児の日々が幕を開けるのでした。

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

産後の仕事復帰についてもそのうち綴りたいと思います。