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「キラキラ星」は子ども向け?

スズキ・メソードで生徒さんが一番初めにお稽古する曲が「キラキラ星変奏曲」です。

スズキの教本に掲載されているキラキラ星変奏曲は鈴木鎮一先生が作曲され、さらに楽器ごとにヴァイオリン・チェロ・フルート・ピアノそれぞれにとって弾きやすい調になっています。


キラキラ星というと、お子さんが歌っている「きらきら光る お空の星よ」という歌詞のイメージが真っ先に思い浮かぶ人が多いと思います。

キラキラ星のメロディの大元は、フランスで18世紀末に流行したシャンソンです。
今日本で歌われているキラキラ星からは想像もつかない、甘酸っぱい気持ちになる歌詞です。
気になった方はぜひ調べてみてくださいね♪

このメロディーに惹かれたW.A.モーツァルトは、このシャンソンを主題に「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」("Ah! vous dirai-je, maman"を作曲しました。

さて、スズキ・メソードのキラキラ星は鈴木鎮一先生が作曲され、5つもしくは6つのリズムで演奏されます。

  • タカタカタッタ
  • ヨカッタ
  • シュッポポ
  • バナナ ※ チェロ科の教本には収録されていませんが、名越クラスでは時々みんなでお稽古します♪
  • キャラメル
  • テーマ

キラキラ星という主題、そしてリズムの名前だけみると、なんだか可愛らしく子ども向けなのでは?と思われがちですが、いざチェロを習い始めてお稽古を始めると決して易しいから選ばれた「子ども向け」な一曲ではないことが分かります。

スズキ・メソードのチェロ教本は市販されているのでスズキの指導者でなくても使うことができるのですが、以前、スズキではない教室で指導にあたっておられるチェロの先生から「キラキラ星ってどうやって教えているんですか?私はどうやってこの難しい内容を教えたら良いのか分からなくて、キラキラ星はレッスンで使っていません」と尋ねられたことがあります。

チェロを弾いていくにあたり必要な構えや身体の使い方の大切な要素が詰まった構成になっていて、キラキラ星を立派な音色で演奏しようと思ったら子どもも大人もたっぷりのお稽古が必要です。

また、誰もが一度は聴いたことのあるメロディなだけに初めて演奏できた時の達成感もひとしお!
小さな「できた!」も意欲を大きく育てる、上達への第一歩です。


小さなチェロから大きなチェロへサイズアップする時、
教本の曲が進んだ時、
折に触れてキラキラ星変奏曲を演奏すると、育った音色の違いに驚きを発見できるかも!?