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チェロを弾きたい!楽譜の読み方①

「楽譜は全く読めませんが、チェロを始められるでしょうか?」というご質問をよくいただきます。
楽譜を読めるようになると、曲に取り組む時に楽譜から宝探しのように情報を読み解いたり、チェロ同士や他の楽器とのアンサンブルを幅広く楽しむことができます♪

しかし、スズキ・メソードの教室では、はじめから楽譜を目の前に置いてレッスンすることはありません。

3歳ごろのお子さんから大人の方まで「どの子も育つ」その秘訣は、私達が言葉を習得する過程にヒントがあります。
お子さんが赤ちゃんの内から目の前にドンと本を置いて「さあ、これから日本語のおけいこを始めましょう」と仰る方はいらっしゃらないでしょう。

赤ちゃんに日常的に話しかけたり、絵本の読み聞かせをしたり、家族の会話をしたり…そんな何気ない繰り返しのある環境が大切です。
ある日「ぱっ!」「まんま」と赤ちゃんの口から言葉の芽が出たら、周りの人は大喜び!
周りの様子を敏感に感じとり、赤ちゃんはさらに言葉を発する能力を育てていきます。

さて、チェロの世界では、主に3種類の音部記号(楽譜上で五線上の位置と音の高さを表す記号)が登場します。
上からト音記号、ハ音記号(チェロで使用するのはテノール記号)、ヘ音記号と呼びます。


チェロクラスでは、3種類の音部記号をスラスラと読めることを目指し、楽譜を読む楽しさもぜひ身につけていただきたいと思っています。

その為に初歩の生徒さんにまずお願いすることは、言葉を習得する過程と同じ!
お手本をよく聴いていただくことです。
スズキ・メソードでは、教本ごとにおけいこCDがついています。

とは言っても、じーっと耳を澄ませて何度も同じ曲を繰り返し聴くことは始めの内はなかなか大変です。
遊びながら、歯を磨きながら、本を読みながら…普段の生活をしながらCDをかけておくことで、音楽を自然に耳にする環境を作り、楽譜には書かれていないフレージングや音楽的な間を感じとる力を育てます。


耳で得た情報を自分の音に表現することができるようになると、レッスンで先生がお伝えするアドバイスや実際の演奏を瞬時に受け取って自分の演奏に反映させることができるので、結果として上達も早くなります。

さあ、次回の記事では、いよいよ楽譜に触れる第一歩を踏み出してみましょう!